在日韓国人の帰化条件
在日韓国人・朝鮮人(特別永住者)
の帰化条件
典型的な簡易帰化の条件に当てはまるのは、在日韓国人(特別永住者)と、日本人と結婚している外国人の方です。
在日韓国人・在日朝鮮人(特別永住者)と言われる方の帰化申請の条件について説明します。韓国籍の方と朝鮮籍の方です。
日本生まれの特別永住者の方は、申請するとほとんどの方は許可される可能性が高いです。よほどのことがない限り許可され得ます。
よほどの事とは、重い犯罪などが当たります。普通に生活している人は大丈夫です。
ただし、要件は緩和されているのですが、帰化申請の事務手続き自体は書類が簡単になるわけではありません。手続き方法はほとんど一般の外国人と同じです。韓国生まれの韓国人とほぼ変わりありません。
逆に日本に住んでいる期間が長いので、集める書類が多くなったりもします。
ただ、集めるべき書類を集めて、申請書も正しく作って、帰化申請書類が受け付けられれば普通は許可になるはずです。
問題は添付書類集めと申請書作成です。
さきほど帰化の要件はあまり気にしなくてもいいと言いましたが、最低限ポイントはありますので、ご注意ください。
在日の方は、素行要件と生計要件の確認が必要
素行要件とは
(Ⅲ)素行が善良であること。国籍法第5条1項13号
簡潔に言えば、真面目な人かどうかということです。
「素行が善良である」とは
素行が善良であるかどうかは、下記のような事柄について、総合的に判断されます。
●所得税、住民税その他、納税義務のある全ての税金の申告や納税状況
●刑法犯罪および交通違反、事故、処分の履歴
●入管法、外国人登録法なども含めた違法行為の有無
●他人に迷惑をかけるほどの金銭的な失敗
●暴力団との密接な関わりの有無
●その他すべての反社会的行為
●他人に色々な意味での損害を与えたときの補償状況
生計要件とは
自己または生計を一にする配偶者その他親族の資産又は技能によって生計を営むことができること。国籍法第5条第1項4号
素行要件と生計要件について、会社員の方と、会社経営者・個人事業主の方とで分けてみます。
会社員の方の住民税について
住民税とは、区民税や市民税のことです。
住民税は会社の給与から天引きされている方(特別徴収)と、自分で役所に支払わなければならない方(普通徴収)と2パターンあります。
給与明細を見たときに住民税が天引きされていれば、特に問題ありません。
普通徴収の方は自分で住民税を払わなければならないので、時々未納のままの方がいらっしゃいます。
住民税が未納では帰化が通りませんので、必ず完納するようにしてください。
ご結婚している方は、配偶者の分も納税証明書を提出することになります。自分は住民税を払っている場合でも、配偶者が住民税を滞納しているとダメなのでご注意ください。
さらに、住民税で注意していただきたいのは「扶養」です。
ご自分の源泉徴収票を確認してください。
例えば、ご本人の妻を扶養に入れる場合を考えてください。
妻がアルバイトをしている場合、扶養に入れているケースが多い。扶養に入れれば、本人の税金が安くなるからです。
しかし、妻のアルバイトの年間の収入が一定額以上だと扶養に入れることはできません。
扶養に入れることができなくても、入れてしまっていることがありますので、そのようなケースでは修正申告が必要になります。
払うべき税金が少なくなっているからです。
修正して追加で税金を払い、扶養を外した未納なしの納税証明書を取得すれば問題ありません。
会社経営者の住民税について
会社経営者の方は、個人としての住民税と法人に課税される各種税金もちゃんと払っていることが必要です。
会社員の方の年金について
2012年7月の法改正で、帰化申請に関して年金を払っているかどうかがポイントになりました。
それまでは年金は帰化の要件ではなかったのです。
勤務先で厚生年金に加入していて、給料から天引きされている人は特に何も問題ありません。
しかし、厚生年金に加入していない勤務先に勤めている場合もあると思います。その場合は、国民年金を払っている必要があります。
国民年金を全く払っていないという人も多いです。
韓国籍だからといって払う必要がないわけではありません。
中には日本人ではないので払わなくていいと思っている方もいましたが、そうではありません。
日本に住んでいる以上支払い義務があります。
払っていない場合は、申請前に過去1年分を払って下さい。現時点ではとりあえず直近1年間の国民年金を支払えば帰化は大丈夫です。
1カ月あたり約1万8 千円くらいですから、1年だと20万くらいになります。
いきなり払うには少し高い金額ですが、日本国籍を取り、日本国民になるためには国民の義務を果たしておく必要があります。
会社経営者の年金について
会社経営者の方は、会社として厚生年金に加入しておかなければなりません。
会社として厚生年金保険に加入し、保険料を払っていることも帰化の要件となります。
法人として厚生年金に加入し、代表である自分に厚生年金を加入させる必要があります。
交通違反と前科歴
交通違反と前科歴がないことです。
簡単に言えば警察につかまったことがあるかないかです。
車を運転する人で一番多いのは交通違反だと思います。
交通違反は過去5年間の違反経歴を見られます。5年以上前の違反経歴は基本的には関係ありません。
5年前から今までの交通違反の回数があまり多いと審査に影響があります。
軽微な違反(例えば一時停止違反や路上駐車など)であれば、過去5年で5~6回程度でしたら問題ありません。
前科に関してよくある犯罪行為としては、万引きや喧嘩(暴行)があると思います。
この場合は、おとがめなしの不起訴になっていれば問題はありません。
しかし、10万円前後の罰金刑なら目安として2~3年、20万~30万前後の罰金刑なら3年から5年の経過が必要と考えられます。
罰金刑などの犯罪行為については、特別永住者だから数年の経過で帰化申請ができるようになるのであって、一般の就労系在留資格の外国人はその犯罪行為によって在留資格の更新ができなくなります。
つまり帰国せざるをえなくなり、帰化申請はできません。
ですので特別永住者は帰化申請に関しては、要件面で優遇されていると思います。
生計要件
中には借金がある方がいらっしゃると思います。例えばクレジットカードとか消費者金融とかです。
借金があっても普通に返せる額の範囲内であれば大丈夫です。自己破産級の借金じゃなければ問題はありません。もちろん、自宅不動産のローンや自動車のローンも普通に返済中であれば問題ありません。