永住権と帰化との違いとは?

日本で長く生活している外国人の方には、永住権を取得している方もいれば帰化している方もいます。
どちらもずっと日本で暮らすことができる資格と捉えられているようですが、具体的に永住と帰化との違いはどこにあるのかご説明します。

永住権とは?

永住権とは、日本で生活する外国人の方が永住許可を得て、在留期間や活動を制限されることなく日本に住み続けることを可能とする権利です。
すでに別の在留資格を保有している外国人の方が永住許可を得るには、入国管理局に永住許可申請を行うことが必要になります。
帰化との違いは、永住許可を得ても日本国籍を取得するわけではないという点です。そのため一部を除き、日本で行われる選挙などに参加することはできませんし、公務員として公的機関で働くこともできません。
そして永住権を取得している場合でも、再入国許可を取得せず日本を離れ1年を過ぎてしまえば、せっかく得た永住許可は取り消されてしまいます。

帰化とは?

帰化は外国人の方が永住する許可を得るのではなく、新たに日本国籍を取得することを意味しています。
日本で認められている国籍は1つなので、日本国籍を取得すると同時に現在の国籍は放棄することになります。
国籍が日本人になるため、その後、更新や届出を行う必要はありません。日本人として、選挙に参加することもできますし、就労の制限もなくどのような仕事でも就くことも可能となります。

永住権取得と帰化の
申請・要件

日本に住む外国人の方が永住権を取得するときや、帰化するときの申請場所や要件等には主に次のような違いが挙げられます。

永住権を取得する場合

・申請手続きを行う場所…出入国在留管理局
・審査にかかる期間…約4か月(現実は8か月から10か月かかっていることが多い)
・取得する上での要件…
素行が善良である
独立の生計を営む上で十分な資産または技能を持っている
永住が日本国の利益に合すると認められる
・永住権取得後の戸籍…外国籍
・永住権取得後の選挙権の有無…選挙権・被選挙権どちらも無し
・更新の必要性…7年ごとに在留カードを更新することが必要

帰化する場合

・申請手続きを行う場所…法務局
・審査にかかる期間…半年から1年程度(申請から面接まで4か月程度)
・取得する上での要件…
日本に住所を引き続き5年以上有する
20歳以上で本国法による能力を有する
素行が善良である
自己または生計を一にする配偶者やその他の親族の資産や技能により生計が成り立つこと
日本国籍取得により現在の国籍を失うこと
日本国憲法またはその下で成立した政府を暴力で破壊するなどする政党や団体を結成したことや加入したことがない
日本語の読み書きが可能
・帰化後の戸籍…日本国籍
・帰化後の選挙権の有無…選挙権・被選挙権どちらも有り
・更新の必要性…無し

「永住」「帰化」申請時の注意点

「永住」、「帰化」ともにある素行要件ですが、税金をしっかり納めているかどうかが注意すべき点であると言えます。
帰化の場合は、年金や住民税などが未納の状態であっても、申請までにすべて完納できたら許可される可能性が高まりますが、永住の場合、1度でも特に健康保険の未納があると許可されません。
いずれにしても、ポイントとなるのは書類の作成と収集です。
自分自身で、すべての書類作成にとりかかると、時間もかかるし、ミスをして何度も役所に出向く可能性があることを考えると、行政書士などの専門家に相談するほうがメリットがあると考えます。
ご自身で申請してみて、難しいと思ったら、無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。