日本人配偶者の永住許可申請で不利になるケースとは?

日本で暮らす日本人配偶者は、他の在留資格の方が日本に引き続き10年在留しなければならないのに対し、大幅に短縮されるといったメリットがあります。
しかし、もし死別や離婚などで独り身となったとき、別の在留資格への変更手続きが必要になることや、様々な制限を受けることを避けようと永住許可を取得しようと考えることもあるようです。
ただ永住許可の要件は厳格化する方向で見直しされ、簡単に日本の永住者になれません。
日本人配偶者の方も、永住申請のときに提出する必要書類が大幅に増えるなど、ハードルが高くなっています。

日本人配偶者の永住許可申請で注意しておきたいこと

日本人配偶者の方が永住申請を行う際、年金や健康保険料などの社会保険料を期限までに納めたことを証明する書類が必要となりました。
来日してから現在までの税金・健康保険料・年金の支払いが過去に一度でも納期限に遅れていれば、永住申請の審査では不利に扱われてしまいます。
実際、2019年より前であれば、年金や健康保険料の支払い状況を確認する書面を提出する必要もありませんでした。税金や社会保険料などの滞納があったとしても、永住申請までに完納していれば問題視されることはなかったといえます。
しかし永住申請の際には滞納分を完納させ、許可された後でまた滞納するといった事例が多く、このような厳格な扱いに変更されたといえるでしょう。
税金を納めることは国民の義務なので、滞納状態にある間は法律に違反しているとみなされ、許可要件である「日本の国益に合致する人物」ではないと判断されるからです。

実際の永住許可率は
どのくらい?

法務省の出している統計からみた永住許可率は、2015年までは70%を超えていました。しかし2016年には60%台、2017年以降は50%台にまで低下し今もその状態が続いています。
2019年の永住許可率は56.6%であることからも、半数の方が不許可となっている厳しい状態です。

配偶者ビザではなく
就労ビザの日本人配偶者でも
永住許可申請は可能?

日本人配偶者なのに、在留資格「日本人の配偶者等」ではなく就労ビザを持っている方もいます。
この場合でも一定要件のもとで永住許可の申請手続きは可能ですが、結婚相手となっている日本人のことを何も知らない状況のため、永住許可申請の際には配偶者ビザの要件も満たすことの立証が必要になります。

永住権が不許可になれば
配偶者ビザに影響はある?

永住許可を申請したのに不許可になってしまった場合、不許可となった理由が配偶者ビザの要件に関連する内容であれば、配偶者ビザも取り消されることになる可能性はあります。
取り消しにはならなくても、次の更新許可を申請する際の在留期限が減らされることは考えられますので、そのようなことのない生活を日本で送ることが必要です。