永住の許可後に注意しておきたい取り消しになる行為とは?
日本で生活する外国人の方にとって、永住権を取得することには様々なメリットがあります。
しかしせっかく永住権を獲得したのに、許可後の日常生活等による行動が問題となり、許可を取り消されてしまうこともあります。
永住権は一度取得しておけば、特に条件などなくずっと保持し続けることが可能なわけではありません。
そこで、どのような場合に永住権が取り消されてしまうのかご説明します。
そもそも永住権とは?
永住権とは日本に在留する外国人の方が、日本で生活する上で在留期間を制限されず永住することを可能とする権利です。
在留資格の更新手続きは不要となるため、定期的に更新手続きに手間や時間を取られることはなくなります。
そして永住権を取得していない場合は、活動を変更するときに在留資格変更許可が必要になりますが、活動も制限されなくなるのもメリットです。
犯罪歴などなく、長く日本で暮らしていることを証明できる在留資格でもあるため、社会的な信用度も高くなり金融機関からお金を借りるときの審査でも有利になるでしょう。
まさに夢の在留資格ともいえますが、取得すれば終わりではなく取り消しになる場合もあると留意しておくべきです。
永住権が許可後に取り消しされるケースとは?
一度取得した永住権が、許可後に取り消しされてしまうのは主に次のようなケースです。
申請内容に虚偽が認められた場合
入国許可や在留資格「永住者」の申請において、その内容に虚偽の情報が盛り込まれている場合や、変造文書などを提出し永住権を取得した場合などは取り消しになると考えられます。
再入国許可を受けていない場合
永住権者には、再入国許可という制度が適用され、日本を出国した場合でも1年以内(特別永住権者の場合は2年以内)に日本に戻れば再入国許可は必要ありません。しかし1年を過ぎて日本に帰国しても、永住権はなくなります。
新型コロナウイルス感染症の影響により、再入国までの期間を過ぎてしまうなど、帰国に遅れが生じることが事前にわかっているのなら、前もって再入国許可を取ることが必要です。
それにより、日本を出国した後でも5年間は永住権がなくなることはありません。
住所の登録をしてない場合
日本で外国人の方が3か月以上滞在する場合、日本へ入国した後は14日以内に居住する自治体での住民登録が必要です。
永住者も住民登録は必要とされており、転出・転入後に90日を超えて転出届や転入届の提出がなかった場合や、居住地に関する虚偽の届出を行ったときには永住権が取り消されてしまうと留意しておきましょう。
在留カードの有効期間更新手続がされていない
永住者の在留期間に期限は設けられていませんが、在留カードは有効期間が設けられています。
16歳未満なら16歳の誕生日まで、17歳以上なら交付日から7年間が有効期間となり、有効期間満了日の2か月前から有効期間満了日までに更新手続きを行うことが必要です。
懲役や禁錮などの刑に処された場合
刑法の罪名に違反し、懲役や禁錮などの刑に処せられれば退去強制となり日本を出なければなりません。そのため結果として、永住権が取り消しになります。
永住権を取得できれば、在留資格の更新手続きを定期的に行わなくてもよくなりますが、以上のように、取り消し事項が多くあります。
多くのメリットを得られる権利ですから、取得後の生活にも十分注意しましょう。