永住申請を自分で行うと申請期間は短縮できる?

日本で生活する外国人の方が、永住申請を行ったときの申請期間はどのくらいかかるのか気になる場合もあるようです。
申請期間に時間を取られたくないという理由や、素人が手続きして不許可になることを避けたいという場合など、行政書士など専門家に依頼するケースがほとんどです。
しかし中には、費用もかかるし自分でもできるだろうと、専門家に頼らず自分で申請を行うケースも見られます。
確かに自分で永住権の申請を行うことはできますし、専門家の力を借りなければ不許可になるというわけではありません。
ただ、永住権の申請におけるハードルは極めて高いため、その点を十分理解した上での申請が必要となるでしょう。

具体的に永住申請の
審査期間はどのくらい?

永住申請を行った場合の審査期間は、入国管理局の公式サイトには標準処理期間として4か月という記載があります。
しかし実際には8~10か月程かかることが多く、個別の状況や申請を行う時期、どこの入国管理局で手続きを行ったかにより違ってくるでしょう。
審査も厳格化している傾向がみられるため、永住審査の許可率も低下しているといえます。
自分で申請する場合には、それらを踏まえて慎重に準備することが必要となるでしょう。

永住申請を自分で行うことにリスクはあるのか?

永住申請に必要な書類は、入国管理局の公式サイトに記載があるため、集めて提出すれば完了するだろうと安易に考えている方もいるようです。
専門家に相談する上で時間がかかれば、申請期間も長くなるのでは…と思うかもしれませんが実際にはそうではありません。
永住審査の厳格化により不許可になるケースが多く見られますし、不明な点が多ければ審査期間も通常より長くなる可能性があります。
そのため自分で永住申請する場合は、主に次のようなリスクを踏まえておくことが必要です。

日本語の文書での説明が伝わらない

法令などの要件をもとにして、入国管理局に対し日本語の文書で説明し、納得させることが必要です。
しかし日本語があまり得意でない方の文章の場合、何を伝えたいのか理解してもらえず、審査官の誤解を招き不許可になるといったケースもあります。
入国管理局に文書で説明できるのは原則1度のみですので、納得する説明を日本語の文書でできることが必要です。

心証を悪くしてしまう

永住申請の審査は人が行うため、その道のプロである専門家が提出したほうが心証は良くなるのは当然のことです。
自分で申請した場合でも、審査官が説明を求めた部分に対し、法令規則などを踏まえた上で合理的に説明がなされ、証拠となる書面も添付されていれば心証は良くなるでしょう。
しかしできない場合には、申請内容そのものに疑義が生じてしまい、厳しい審査になることも考えられます。
また、申請内容に不明な点があった場合、専門家が提出していれば入国管理局から専門家に対し連絡が入ることが多いですが、自分で申請する場合では連絡すらされずに不許可になることも多いです。

虚偽の申請とみなされてしまう

過去の在留資格の申請で記載した内容と永住申請の内容に異なる点が出てきた場合、どちらかの内容が虚偽と判断され不許可になってしまう可能性もあります。
自分で申請する場合、よく見せたいと考えた内容を記載してしまうこともあるため、注意が必要です。

身元保証人から断られてしまう

永住申請の身元保証人を引き受けてもらう場合、相手から専門家から話を聞きたいと言われたとしても、自己申請の場合には自分で説明するしかありません。
納得してもらえない場合や、不安に感じられてしまい身元保証人を断られる可能性も出てくるでしょう。

永住許可を取得するための
適切な時期

審査期間が1年になることを見越して、今持っている在留資格の期限が1年以上残っているうちに申請することをおすすめします。
万が一、永住許可の申請中に現在の在留資格の期限が切れてしまうような場合は、更新しておく必要があります。
以上のように、永住許可申請は、他の在留資格よりも審査期間が長くなる傾向があります。
当事務所では、不許可率を下げられるよう、経験や知識を生かした、申請書類の収集、申請理由書の作成をおこなっておりますので、お気軽にご相談ください